知って得する「免疫トーク」 #1

知って得する「免疫トーク」 #1
食生活で、免疫力を高めることはできるのか?免疫治療の権威・矢崎雄一郎先生に、気になる食の疑問をたくさんぶつけてきましたよ。
上手な油の採り方や、細胞を活性化する食材、免疫力をあげる食生活の秘訣、などなど貴重なお話もりだくさんの特別対談です。
矢崎雄一郎先生のプロフィールはコチラ >
医師/テラ株式会社代表取締役社長

1996年に東海大学附属病院に外科医として勤めるも、「救えない命もある。そんな医療の限界を変えたい」と職を辞める。
2003年、東京大学医科学研究所細胞プロセッシング寄付研究部門に研究員として勤務した後、2004年にテラ株式会社を設立。

医師としての経験を生かし、全国の免疫治療を行う医師や医療スタッフとともに研究会を発足させて、がん治療の発展に取り組んでいる。
特に樹状細胞ワクチン療法「バクセル® (Vaccell)」をはじめとしたがん免疫細胞治療の研究開発で注目を浴び、同分野のトップランナーとして、国内医療機関導入実績No.1、国内治療実績No.1、世界のがん抗原ランキングNo.1受賞など輝かしい成果を残し、バイオベンチャーでは極めて異例となるJASDAQ上場を果たす。個別化医療、先制医療の実現をめざして奮闘する一方、「より多くの患者を救いたい」を合言葉にメディアにも多数出演し、活躍している。

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※ 以下は対談の抜粋です。全文は矢崎先生のサイトをご覧ください。

矢崎:
レミさんは「人間ドックで5年間来なくていいと言われた健康体」だそうですね。

平野:
そうそう、来るなって言われちゃったの(笑)自分でもね、ぜったいどこも悪くないと思ってるんですよ。

矢崎:
やはり料理をお仕事にされているので、栄養のバランスなどもかなり考えられているのかなと想像するのですが。

平野:
まずやっぱり家族大事ですからね。家族が病気したら困るから、そこはすごく考えてますよ。今は夫の和田さん(イラストレーターの和田誠さん)がいちばん大事。和田さんは血糖値がちょっと高いから、炭水化物は少なめでたんぱく質をいっぱいとりなさいってお医者様に言われてるんです。
矢崎:
たんぱく質は非常に重要ですね。私の会社ではがんの免疫療法のワクチンを開発して既に実用化していまして、治療している患者さんの統計も取っているんです。それで、がん患者さんでワクチンがよく効くのは、やはりたんぱく質など栄養をきちんととっていた人なんですね。

平野:
えぇ~、そうなんですか!

矢崎:
がんの本の中には、動物性たんぱく質はとらないほうがいい、菜食主義者になりなさいなんて書いてある本もありますが、体の細胞を作っているのはたんぱく質、細胞の膜を作っているのは油なので、良い油とたんぱく質をとることが非常に重要なんです。僕はエクストラバージンオリーブオイルを毎日大さじ2杯飲んでるんですよ。

平野:
え、え、そのままですか?

矢崎:
そのままだとちょっと飲みにくいので、オレンジジュースにまぜて飲んでます。体の細胞は日々入れ替わっていきますから、良い油をとることで細胞の質そのものもよくなっていくことが期待できますね。
油を考える
平野:
やっぱり、オリーブオイルみたいな、良い油をとったほうがいいんでしょうか。

矢崎:
そうですね。あとはDHA、EPAとか、魚からとれる油がいいということはもうわかっています。それとあともうひとつ……。
油を考える
平野:
油?なんだろ。あ、知ってる、亜麻仁油ですか?

矢崎:
そうそう、亜麻仁油。それです。オメガ3という必須脂肪酸が豊富で、生活習慣病の予防効果があると言われていますね。レミさんはどんな油をお使いになってますか?
平野:
オリーブオイルはイタリア・トスカーナ産の決まった銘柄のものを取り寄せてるの。ちょっと高いんですけどね。中華を作るときなんかは自然食品のお店で売ってるサラダ油。あとはココナッツオイルもよく使いますね。

矢崎:
ココナッツオイルですか。それはどんなふうに使われるんですか?

平野:
ドレッシングにまぜたりするとすっごくフルーティーですよ。抗酸化作用があるんですって。実は今日も買ってきたの。うちの近くの輸入食品のお店で売ってるんだけど、おひとりさま2個までって言われるから、昨日2個買って、今日も2個(笑)
矢崎:
ああ、なるほど抗酸化作用ですか。

平野:
なんだっけ、トランス脂肪酸もゼロ、コレステロールもゼロで体にいいのよ。認知症防止にも効果があるって。

矢崎:
シナプスという、脳の神経と神経をつないで情報伝達している部分はほとんど油でできてるんですよ。だから良い油ってやっぱり重要なんですよね。ココナッツオイルも飲んでみようかな(笑)

平野:
いいですよぉ!美容にもいいのよ。ちょっと味は独特だけど、カレーに入れるとそれだけでトロピカルになって最高!
人は100日で生まれ変われる?
平野:
そういえば、油はやっぱり加熱しないでとるほうがいいんですか?

矢崎:
そうですね。どんなに良い油でも加熱すると酸化してしまうので、ドレッシングにまぜたりするのがいいと思います。ですから、天ぷらみたいに油を何回も使いまわすものや、スナック菓子の油なんかはほんとうによくないですね。

平野:
わたし、孫が3人いるんですけど、孫が食べてるお菓子の袋の裏側をパッと見てね、カタカナのよくわかんないのが入ってると「これダメ!」って取り上げちゃうの。怖いですもん。だって、今日食べたものが1週間後とか5年後に自分の体を作るんだと思ったらね。

矢崎:
それは大事だと思いますよ。人の体の細胞は100日くらいで入れ替わるんです。だからまじめに、いい食生活を続けていけば、100日くらいで人の体は文字どおり生まれ変われるんですよ。

平野:
えーっ!?100日ですか。はぁ~、じゃあこの対談をご覧になった人たちも、今日からまじめにやれば3か月後くらいにはちゃんとした体に生まれ変わってるかもしれないと。

矢崎:
そうですね。健康な体に生まれ変わるんだと思って、毎日の食生活を変えていくだけでも全然違うと思いますよ。
菌でカラダは強くなる
平野:
そういえば先生のご本(「免疫力をあなどるな!」)で、お味噌汁を作るとき、火を止めて少しぬるくなってから入れたほうがいいっていうのがありましたよね。あれはほんとうに目からうろこで、今まで大失敗してました。

矢崎:
沸騰させると、免疫力アップに効果的な乳酸菌が死んでしまいますからね。ただ、発酵食品の酵素や菌は、食べてしまうとだいたい胃で死んじゃうんですよ。

平野:
まー、死んじゃうの!?

矢崎:
(笑)死んじゃうんですけど、実は死んだ菌でもいいんです。人の体の免疫細胞の約70%が腸に集まってるんですが、胃で菌が分解されてその死骸が腸を通っていくと、「菌じゃないか!」って免疫細胞たちがびっくりするんです。びっくりして免疫が元気になる。異物が来たからがんばらなきゃ、戦わなきゃって。

平野:
はぁ~。そういう理由で発酵食品は体にいいんですねぇ。その、戦わなくちゃっていうのは、戦って体をよくしようとしてるってこと?
菌でカラダは強くなる
矢崎:
そうですね。菌って体にとっては異物じゃないですか。だからやっつけようとして、免疫細胞たちが元気になります。その結果、体全体の免疫が高まってくる。実は健康な人の体内でも毎日5000個のがん細胞ができていて、ふだんは免疫細胞たちがそのがん細胞が増えないように戦ってくれてるんですけど、免疫細胞たちの働きが鈍くなるとがんがどんどん増殖してしまうんです。そこで発酵食品を食べれば、免疫細胞たちが活性化して、がん細胞を元気に攻撃してくれるんですね。

平野:
なるほど~!すごくよくわかりました。だから食べないとダメなんですね。