「おすすめの包丁って?」
包丁の種類と選び方

「おすすめの包丁って?」包丁の種類と選び方
料理をする時、わたしたちが必ず手に取る「包丁」。いつも当たり前のように使っていても、いざ買い替えようとすると種類が多く、「どんな包丁を選べばいいか分からない」という方も多いのでは?そこでremyは、“刃物の町”として有名な岐阜県関市の老舗包丁メーカー、ヤクセルさんにお邪魔し、初心者にも分かりやすい「包丁の選び方」について伺ってきました。※「フライパンの選び方」はこちらよりご覧ください。

包丁選びの6つのポイント

まずはじめに、家庭用の包丁選びにおけるポイントは、大きく6つに分類されます。

では、それぞれの項目について、善し悪しの見分け方について見ていきましょう。

☞ 特別な用途がなければ、三徳包丁を。

例えばカボチャを切るのに、果物ナイフを使う人はいませんよね。逆に、小さな果物を切るのに、大きな包丁を使うのは危険です。切る食材の種類によって、それに相応しい包丁があります。でも、何種類もの包丁を使い分けるのはとても面倒。そこで家庭では、肉、魚、野菜、3つの食材をオールマイティに切ることのできる「三徳包丁」、別名「万能包丁」が一番好まれます。

三徳包丁は、大きな肉を切るのが得意な「牛刀包丁」と、野菜を切るのが得意な「菜切包丁」のいいとこ取りをしたもので、家庭用包丁の約9割が三徳包丁と言われています。もし特定の用途がなければ、三徳包丁、それと果物ナイフ(ペティナイフ)の2種類を選ぶのがよいでしょう。

☞ 種類を知り、性格に合った素材を。

見た目は同じでも、刃物に使われる素材にはたくさんの種類があります。特に「研ぎやすさ」と「錆びにくさ」は、素材によって違いが表れるので、使う方の性格や、調理スタイルに合わせて素材を選ぶようにしましょう。

ステンレス
ステン(錆び)+レス(ない)という言葉通り、錆びにくく手入れが簡単なので、家庭用としては最も一般的。
ステンレス三層鋼
硬いステンレスを柔らかいステンレスで挟んだ鋼材で、 普通のステンレスと比べ、切れ味が持続するのが特長。
ハガネ
ステンレスと比べて研ぎやすく、鋭い切れ味を復活させやすいのが強み。一方とても錆びやすく、手入れに手間がかかるのが難点。
ハガネ三層鋼
ハガネを、錆びにくいステンレスで挟んだ鋼材。刃先はハガネなので、刃先の錆びには注意が必要。
セラミック
錆びずに切れ味が長く続くので、お手入れが億劫な方に◎。一方、特別な道具を使わないと研げないほか、硬い食材を切ると欠けることがあるのが弱点。

☞ 予算の範囲で、価格の高い包丁を。

無論、よく切れる包丁は、良い包丁です。調理のストレスを減らすだけでなく、食材の形状や美味しさを崩さないといったメリットも。

包丁の切れ味は、刃の薄さと角度で決まります。でも、0.1ミリ単位の差を識別することはできませんよね。この点、日本の包丁は「切れ味と値段は比例する」のが暗黙知となっており、値段が高い分だけよく切れる、と考えて間違いないようです。

また、「柄の形状」や「包丁の重心」によって切れ味の違いを感じることもあるので、個性的なカタチの包丁を検討する際は注意が必要です。重心は、上図の位置に指先をあて、重さがだいたい釣り合うものが、使いやすい包丁と言われています。

☞ 材質を調べ、高品質鋼材の包丁を。

新しい包丁が良く切れるのは当たり前。その切れ味がどれだけ長く続くかも大切なポイントです。「耐久性」と「切れ味」は相反する関係にあるため(耐久性を上げると、切れ味が悪くなる)、肝心なのは、“切れ味と耐久性を両立した包丁”を上手に見分けることです。

例えば、硬い鋼材を柔らかい鋼材で挟んだ三層鋼包丁や、鋼材に「モリブデン」や「バナジウム」といった成分を加えた包丁は、“切れ味と耐久性の両立”を目指している証拠です。このような素材を使った包丁は、研いだ時に切れ味が戻りやすいという強みもあります。

その他、生産者が独自の技術を取り入れてることがありますが、材質欄に必ず表記されているとは限りません。確実なモノ選びをしたければ、刃物づくりで有名な産地やメーカーで作られた包丁を選ぶのが良いでしょう。多くのノウハウが蓄積されている分、価格に見合う切れ味と耐久性が期待できます。

☞ 口金のついた包丁を。

毎日使うものですから、手入れのし易いものを選びたいですよね。家庭では、錆びにくく、洗い易い種類の包丁を選びたいところ。

「錆びにくさ」で選ぶなら、ステンレスかセラミック素材の包丁を、「洗い易さ」で選ぶなら、口金(くちがね)のついた包丁を選ぶのが良いでしょう。口金とは、刃と柄を滑らかに繋げるためのもので、高級包丁か否かを分けるひとつのポイントです。口金のある包丁は、溝や段差がないので洗い易く、汚れや細菌がたまりにくいという強みがあります。

また、柄には木材やプラスチックなど様々な種類がありますが、衛生面を考えると、つなぎ目の存在しない「ステンレス一体式柄」がおすすめです。しかし最近では、抗菌性に優れた木材も多く存在するので、価格とも相談しながら、自分に合うものを探してみましょう。

☞ 気になる人は、刃離れ加工包丁を。

水分を含んだ食材を切ると、切った食材が包丁の側面にペタペタくっつき、ちょっとストレスですよね。これを抑制するため、刃離れを良くするための加工を施した包丁もあります。

一般的なのは、刃先付近に「くぼみ」や「穴」を設けた包丁です。食材と包丁の間に空間をつくることで、食材との接地面積を少なくし、刃離れを良くします。

また、めんどくさがり屋さんにおすすめしたいのが、フッ素コーティングを施した包丁です。フッ素樹脂は物質界の中でもっとも摩擦係数が低いので、食材の刃離れが良く、また、汚れがつきにくい(落としやすい)というメリットもあります。

クロの包丁

いかがでしたか?詳しい方からは「物足りない」とお叱りを受けるかもしれませんが、初心者向けにできるだけ簡潔にまとめさせていただきました。なお、このスタディを元に開発したのが、「クロの包丁」です。料理の下ごしらえがもっと楽しくなる、そんなお手伝いをすることができたら嬉しく思います。


remy