プロから学ぼう!
フライパンの種類と選び方

プロから学ぼう!フライパンの種類と選び方
調理器具の中でも、フライパンは特に出番の多い大切な道具です。だからこそ種類も多く、つい「なんとなく」で選んでしまう方も多いのでは?このページでは、大好評の「包丁の選び方」に続き、専門家から学ぶ、5つの「フライパンの選び方」をご紹介します。
1. カタチ2. 素材3. コーティング4. 製造方法5. その他、の順に解説していきましょう。

☞ 多目的なら、20~24cm深型タイプを。

例えば肉じゃがを作るのに、浅いフライパンは不向きです。また、目玉焼きを1つ作るのに、30cmのフライパンは大き過ぎます。料理の種類や量によって、それに相応しい「深さ」と「広さ」があります。でも、何種類ものフライパンを使い分けるのはちょっと面倒ですよね。

そこで家庭では、煮物や焼き物、揚げ物にも使える「深型フライパン」が人気です。サイズは、1人暮らしや朝食用には、直径20cm以下。2人以上のご家庭には直径22~26cmのものがおすすめです。

☞ 種類を知り、性格に合った素材を。

フライパンによく使われる素材は、鉄、ステンレス、アルミ、の3種類。ご家庭で最も人気なのは、コーティングされたアルミ素材です。それぞれ一長一短があるので、以下に挙げる特徴を参考に、自分に合った素材を選ぶようにしましょう。

熱伝導が良く、強火調理もできる一方、こびりつきやすく、錆びやすいのが欠点。ただ、小まめにお手入れをすれば一生モノに。得意料理をみる↓
強火での高温調理ができるので、野菜をシャキっと炒めたり、ステーキ肉の表面をカリっと焼いて旨味と閉じ込めたりするのが得意。
ステンレス
錆びにくく強火も使える一方、熱伝導が悪く余熱に時間がかかる。これを補うため、熱伝導の良いアルミを挟み込んだ「多層構造」タイプも。得意料理をみる↓
鉄同様、高温での焼き物調理が得意。また、保温性が高く、一度温めたら熱が逃げにくいので、じっくり火を通す煮物では、弱めの火でも熱効率よく調理が可能。
アルミ(コーティングなし)
とても軽く、煽りやすいのが特長。熱伝導も良い反面、油馴染みが悪く、焼き物調理ではこびりつきやすいのが欠点。得意料理をみる↓
熱伝導が良く、水を沸騰させる早さはピカイチ。ソースなどを作る際、微妙な火加減調整で水気を飛ばすことができる。パスタと絡めて煽るのも得意で、イタリアンのシェフによく愛用される。
アルミ(コーティングあり)
軽く、熱伝導が良い上にこびりつかず、家庭では最も人気。しかしコーティングが消耗するので、強火や空焚き、金属ツール使用は苦手。得意料理をみる↓
焦げ付きを気にすることなく炒め物、焼き物ができる上、熱伝導も良いので、お味噌汁や煮物作りもスピード調理が可能。

☞ 塗装方法と下地処理を見極める。

コーティングは、できるだけ長持ちするものを選びたいところ。耐久性は、コーティングの種類や塗装方法に加え、フライパンの下地処理の仕方によっても変わってきます。

例えば、1)多層コーティングをしているもの、 2)アルマイト加工等の下地処理をしているもの、3)鍋底が厚く熱ムラの出にくいもの、は長持ちする傾向があります。でも、見分け方は難しいですよね。値段の高いものを選べば比較的安心できますが、専門的な検証記事を参考にするのもよいかもしれません。検証記事の一例をみる↓
比較情報サービス「mybest」が、人気のフライパン22種類の耐久性を徹底検証。以下8商品は、耐久性5.0(五つ星)のトップスコアを達成(2020年9月)。
  • ・レミパンプラス(remy)
  • ・evercookフライパン
  • ・軽量・高熱効率フライパン(貝印)
  • ・ハードチタニウム・プラス フライパン(T-fal)
  • ・軽量ダイヤモンドマーブルフライパン(タフコ)
  • ・オールライト(アサヒ軽金属工業)
  • ・サーモス フライパン
  • ・フォア ふっ素加工フライパン(パール金属)

☞ 軽さと耐久性で選ぶなら「鋳物」を。

人気のアルミ素材には、「板物」と「鋳物」の2種類があります。板物は、アルミ板をプレスして器状にしたもので、鋳物は、液状のアルミを型に流して成形したものです。※鋳物のうち、機械で圧力をかけて成形するものを「ダイカスト」と呼びます。

鋳物やダイカストには、次の4つの長所があります。1)内部に気泡があり蓄熱性が高い。2)表面にザラつきがあり、コーティングが剥がれにくい。3)側面だけを薄くして軽量化できる。4)ハンドルの根元まで一体成形すれば、フライパン内面の“びょう”をなくせるため、洗い易く衛生的。

板物か鋳物かは、フライパンの形をよく見ると判別できるので、購入前にチェックしてみることをおすすめします。

☞ 用途に合わせて特別な機能を。

生活者のニーズに合わせ、特別な機能のあるフライパンもあります。間仕切りがあったり、無水調理ができたり、魚を一匹丸ごと焼けたり。オーブン調理ならスキレットが最適ですし、省スペース性なら、取っ手のとれるタイプや、蓋が自立するタイプが◎。

調理のスタイルや、ライフステージによって必要な機能は変わってくるので、その時の暮らし方にフィットするフライパンを選ぶのが良いでしょう。

レミパンプラス

remyがお届けする「レミパンプラスレミパンミニ」は、6種類の調理法を1台でこなせる深型形状。軽く蓄熱性の高いアルミ・ダイカスト製で、コーティングは高耐久性3層フッ素コート(アルマイト加工あり)です。調理を快適にし、料理がもっと楽しくなる、そんなお手伝いができたら嬉しく思います。

記事監修▼「和平フレイズ(株)」開発本部設計開発チーム。1951年創業以来、多種類のフライパンや調理器具の企画/販売を手がける。独自の高い品質基準に定評がある。
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