TPPで、あなたの食卓はどう変わる?
remyのメルマガで実施しているお料理アンケート「みんなの二択」。先日、メルマガ会員のみなさんに「TPPで、あなたの食卓がどう変わるか?」という質問をしたところ、8割以上の方が、「よく分からない」と回答しました。テレビであれほど目にしても、それが私たちの生活をどう変えるのかは、ほとんど理解されていない、というのが現実のようですね。
そこでremyは、いまさら聞けないTPPのこと、「食べる政治」さんに聞いてきました。「食べる政治」さんは、食べものを通して政治を考える“食べ物付きの雑誌”で、以前誌面でTPPを特集したことがあり、今回特別に、remyの読者さま向けに情報を提供くださることになりました。
以下は、特集記事を「食」という観点から要約したものです。お時間のある時に、ご一読いただければ幸いです。
以下は、特集記事を「食」という観点から要約したものです。お時間のある時に、ご一読いただければ幸いです。
そもそも、TPPってナニ?
TPPとは、太平洋に面した国々で結ぶ貿易協定で、関税を撤廃することで貿易を活性化させることが、加盟国の最大の狙いだ。日本が交渉に参加したのは、加盟12カ国の中で最も遅く、損をするのではという懸念もあった。しかし参加国は交渉内容を公表しないことが義務であり、その全貌はわれわれ国民に明らかにされていない。
国民の生活に影響をもたらすもの
TPPでは、経済発展のため、さまざまな分野での交渉が行われるが、その中でも、国民の生活に大きな影響を持つ分野のひとつが、食料品の安全基準にかかわる分野だ。まず前提として、関税が撤廃されると、アメリカやオーストラリアなどの農業大国からの農産物の輸入が増え、日本の農業は大きな打撃を受ける。以下は、農林水産省が試算した、農産物生産量の減少割合。
生産が減少する作物の代表例が砂糖と小麦。ほぼすべてが外国産に換わり、米や豚肉、牛肉も、一部ブランド品を残して輸入品と置き換わる試算だ。「海外産でもおいしければそれでいい」と言う人もいるだろうが、国全体で見るとそうも言ってられない事情もある。生産が減るということは、その産業で働く人々の就業機会が奪われることを意味する。農水省は、農林業関連で340万人の雇用が奪われると試算しており、これだけの失業者が増えることは日本全体にとっても大きな問題となる。
脅かされる食の安全
キシリトールなどの甘味料やバニラなどの香料、クエン酸などの酸味料…。普段私たちが何気なく口にしている食べ物には、食品添加物が使われているものが多い。多量摂取すると人体に悪影響を及ぼす、発がん性物質を有する種類も存在するのが現状だ。そして、TPP加盟によって、日本国内で安全が確認されていない多くの食品添加物が使われるようになる可能性があるのだ。
現在日本では、約800種類、アメリカでは約1600種類の添加物が認められているが、アメリカ政府は、日本では使用が認められていない食品添加物の審査・認可を、日本政府に強く要請している。米国内で流通していることを理由に、政府が認めていない添加物の入った食品が日本に流入する可能性は否定できない。
現在日本では、約800種類、アメリカでは約1600種類の添加物が認められているが、アメリカ政府は、日本では使用が認められていない食品添加物の審査・認可を、日本政府に強く要請している。米国内で流通していることを理由に、政府が認めていない添加物の入った食品が日本に流入する可能性は否定できない。
消える「遺伝子組み換え表示」
また、TPP加盟によって、「この大豆は遺伝子組み換えではありません」という遺伝子組み換え食品の表示義務は撤廃される。遺伝子組み換えはわずか20年前に始まった新しい技術で、ガンやアレルギーなどの慢性疾患を引き起こすという研究データもあり、長期的な悪影響が無いとは言い切れない。
現在日本では、とうもろこしや大豆などの8品目とその加工品に、遺伝子組み換え表示が義務付けられている。一方アメリカでは、遺伝子組み換え表示自体が禁止。そのためアメリカは、遺伝子組み換え表示を貿易の障壁とみなし、TPPの交渉を通しての表示撤廃を目標としている。
現在日本では、とうもろこしや大豆などの8品目とその加工品に、遺伝子組み換え表示が義務付けられている。一方アメリカでは、遺伝子組み換え表示自体が禁止。そのためアメリカは、遺伝子組み換え表示を貿易の障壁とみなし、TPPの交渉を通しての表示撤廃を目標としている。
危ないのは、中国産だけじゃない
大手ファストフード店で起こった事件に象徴されるように、海外の輸入食品、とりわけ中国産に対する消費者の不信感は根強い。このような事件がたびたび起こることから分かるとおり、政府が行っている輸入品への検査は万全ではない。そしてTPP加盟することで、安全とは言い切れない輸入品が私たちの食生活を脅かす可能性が高まるのだ。
日本で未認可の添加物や基準を超える農薬が検出された食品は、食品衛生法違反として船舶へ積み戻されるか、廃棄処分される。輸入食品監視統計によると、違反の多い国は、上から順番に中国、アメリカ、タイ、ベトナム、イタリアとなっている。平成26年度は上位5カ国の違反件数だけで、違反数全体の5割を占めた。中国の違反率は年々減少しつつあるが、アメリカやベトナム、タイなども、依然として違反率は高い。
日本で未認可の添加物や基準を超える農薬が検出された食品は、食品衛生法違反として船舶へ積み戻されるか、廃棄処分される。輸入食品監視統計によると、違反の多い国は、上から順番に中国、アメリカ、タイ、ベトナム、イタリアとなっている。平成26年度は上位5カ国の違反件数だけで、違反数全体の5割を占めた。中国の違反率は年々減少しつつあるが、アメリカやベトナム、タイなども、依然として違反率は高い。
原産地・原料のチェックを
食品添加物の増加や表示義務の撤廃、危険な輸入食品の増加…。日本がTPPに加盟することで、私たちの食卓にあがる食品に大きな変化が起こる。どのような食品を口にするかということは、健康な食生活を送るうえで非常に重要な意味を持っている。学校や会社の帰り道で、何も考えずに値段だけを見て買物をするのではなく、原産地や原料などを気にかけることを心がけたい。
(以上、引用文)
(以上、引用文)
いかが思われますか?TPPがもたらす「食」の変化。国全体で考えると、企業の海外進出がしやすくなるなど、経済効果も高いようですが、「食」については考えさせられることも多いようですね。日本で食卓を囲む私たちにとっては、こうした変化を「知っておくこと」または「知ろうとする」姿勢が大切なのではないでしょうか。情報を提供してくださった「食べる政治」さん、どうもありがとうございました!
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