忘れられない和田さんのポトフ
以前ニチレイさんの広報誌にコラムを書かせていただきました。それが好評だったみたいなので、ここでも紹介させていただきますね。
和田さんについて
わたしは今でも、夫(和田誠)のことを「和田さん」と、名字で呼んでいます。友達はみんな「マコちゃん」とか呼んでいるのに、妻が他人のように名字で呼んでいるのもちょっと変な感じだけど、いまさら直せません。そんな和田さんの仕事は、イラストレーター。他にも、映画監督をしたり本を書いたりしています。だから、すごく忙しいのです。
家庭がひとつの単位
結婚当初は、2人で旅行したり、お弁当を持ってピクニックしたりと、甘い結婚生活を夢に描いていました。でも実際はそんなに甘くはなかった。和田さんは仕事ばっかり。大好きな絵を描くことが仕事になっているので、毎日が楽しくて仕方ないみたい。だったらわたしもと、シャンソンを唄ったり、好きな料理で仕事をしたり、充実した楽しい毎日を送っていました。
そのうちこどもが産まれて、忙しさが倍増。あるとき、和田さんがこどもの幼稚園の送り迎えをしてくれた時に「ありがとう」って言ったら、「ありがとうなんて言うことないよ。家庭がひとつの単位なんだから、誰が何をしてもいいんだよ。」って。そんなわけで、いつの間にか、ゴミ出し、茶碗洗い、玄関の落ち葉掃きと、和田さんのやることが多くなりました。そのかわり、料理はわたしの役割。家族みんなの健康を守って、しっかりゴハンを作っています。
そのうちこどもが産まれて、忙しさが倍増。あるとき、和田さんがこどもの幼稚園の送り迎えをしてくれた時に「ありがとう」って言ったら、「ありがとうなんて言うことないよ。家庭がひとつの単位なんだから、誰が何をしてもいいんだよ。」って。そんなわけで、いつの間にか、ゴミ出し、茶碗洗い、玄関の落ち葉掃きと、和田さんのやることが多くなりました。そのかわり、料理はわたしの役割。家族みんなの健康を守って、しっかりゴハンを作っています。
忘れられない味
ある日、わたしが地方から帰って、「さあ夜ゴハン作らなくちゃ」と玄関のドアを開けたら、プーンといい匂い。大きな鍋にポトフができあがっていたんです。はじめて和田さんが作ってくれたゴハン。家にあった豚のかたまり肉と根菜たちを全員集合させて、コトコト煮込んだもの。なんと野菜は皮もむかずにそのままお鍋に放り込まれ、でっかい梅干しもゴロゴロ入っていたので、見た目はダイナミックでしたね。特別な調味料が入っていたわけでもないのに、食べてビックリ、豚肉のコク、根菜の甘み、それと梅干しの酸味がほどよくマッチして、本当においしかったんです。
きっと、この味の深みには、作る人の気持ちが入っているんでしょうね。なんといっても和田さんが料理を作ってくれたのがうれしかった。こどもたちも笑顔で野菜をほおばり、おいしいおいしいって何度も繰り返し言っていました。わたしにも忘れられない味です。
きっと、この味の深みには、作る人の気持ちが入っているんでしょうね。なんといっても和田さんが料理を作ってくれたのがうれしかった。こどもたちも笑顔で野菜をほおばり、おいしいおいしいって何度も繰り返し言っていました。わたしにも忘れられない味です。
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