「竹炭の塩」のお話

「竹炭の塩」のお話
黒い粒が特徴的な「竹炭の塩」は、塩の名産地、石川県珠洲市で製塩所を営む、新海塩産業さんの自慢のお塩です。ツンとした辛さがなくてまろやか。それでいて甘みが感じられ、食材のうまみを上手に引き出してくれると、プロの料理人にも好評です。

能登の自然の力を借りて

竹炭の塩は、大きくわけて3つの工程で作られます。まず、能登の海から取水した海水を「流下式塩田」という製法で濃縮させます。この製法は、斜めにたらしたすだれに何度も何度も海水を循環させて吹きかけ、海風と日光の力を借りて水分を蒸発させるというものです。この作業は、塩分が10%程度に濃縮されるまで10日前後かけてじっくりと行われます。
「竹炭の塩」のお話
「流下式塩田」で濃縮した海水は、2〜3日間かけて煮詰めていきます。この作業をするのは、女性の常俊さん。塩の表情を注意深く見守りながら薪をくべ、全身をつかってかき混ぜます。できあがった塩を釜からあげるタイミングは、塩の美味しさを左右する大事なポイントです。このタイミングもすべて、常俊さんの腕にかかっています。
「竹炭の塩」のお話
できあがった真っ白な塩は、能登の3年ものの青竹に塩をつめられ、3日3晩かけて、職人が炭焼釜で丁寧に焼き上げます。焼塩にすることで、特徴的な「炭色」の粒ができるだけでなく、口の中でシュッと一瞬で溶ける食感ができあがります。口溶けがよく、お刺身の醤油代わりにかけてたべるのもおすすめです。
「竹炭の塩」のお話
約2週間程度かけてできる塩の量は、ひとつの釜で約100kg程度。決して効率のいい仕事とは言えません。しかし、「自然に逆らわずに作った塩は、体によくておいしい」という小谷内社長の信念のもと、竹炭の塩はじっくり丁寧につくられています。ぜひ、そんな物語と共に、ご賞味いただければ幸いです。
「竹炭の塩」のお話
写真協力:(有)新海塩産業