発酵を楽しく学びましょう「菌トーク」
小倉ヒラクさんとは?
明日香:
こんにちは!

小倉:
こんにちは!先日は、レミさんに本の帯を書いてもらいまして・・・

明日香:
そうらしいですね。小倉さんの菌のお話は、本や記事を通してよく拝見しています。面白くて、すごく分かりやすい。

小倉:
ありがとうございます。

明日香:
今日は、小倉さんのお話を、大人だけじゃなく、子どもたちにも楽しく伝えられたらいいなと思い、食育アプリ「タッチフード」で活躍中のMrs.remyも連れてきました(笑)。
Mrs.remy:
ミセス・レミーです。今日はよろしくお願いします!

小倉:
あ。どうも、よろしくお願いします。
明日香:
さっそく聞かせてください。「発酵デザイナー」というのは、どんなお仕事なんでしょう?

小倉:
謎でしょう?(笑)見えない発酵菌の働きを、アートやデザインを使って見えるようにする。そういう仕事をしています。

Mrs.remy:
き、菌を見えるように?
小倉:
「菌」っていえば、普通、悪者を想像しますよね。

Mrs.remy:
バイキンマンとか。

明日香:
最近は、何でもかんでも「除菌」の世の中だし。
小倉:
菌て、星の数よりずっとたくさんの種類がいるんですよ。中には悪い菌もいますが、いい菌もいる。人間にとってうれしい働きをしてくれる「いい菌」を自分のそばに呼び寄せて友達にする技術、それが「発酵」なんですよ。
Mrs.remy:
菌と友達って言われても…。発酵って、腐るってことでしょ?

小倉:
発酵も、腐敗も、菌が作用しているという意味では同じです。たまたまそれが、人間にうれしい働きをするなら「発酵」、うれしくない働きをするなら「腐敗」になる。人間の都合で、勝手に呼び方を変えているだけなんです。

明日香:
なるほど。じゃあ、においの強烈なウォッシュチーズなんかは、紙一重ですね。苦手な人にとっては、腐ったチーズにしか思えないですからね(笑)。
Mrs.remy:
どっちにしても、目に見えないからちょっとこわい...

小倉:
ちゃんと見えますよ。僕が育てている菌の中から、推しメンならぬ「推しキン」をお見せしましょう。この子です、「こうじ菌」!
Mrs.remy:
えっ、これが菌?お花畑みたい!

明日香:
ほんと、きれいですね。これは美しい。

小倉:
でしょう?それで僕、こんなキャラクターを考えたんです。
明日香:
はは!かわいい!

小倉:
こうじ菌の「こうじまる」っていいます。

明日香:
この子となら友達になれるんじゃない、レミーちゃん?

Mrs.remy:
うーん、たしかにいい子そう。でも、どんな「うれしい働き」をしてくれるの?
小倉:
「味噌」を作ってくれるのは、こうじ菌なんですよ。「発酵食品」と呼ばれるものはみんな、菌が発酵して作り出してくれています。納豆は納豆菌が、キムチやヨーグルトは乳酸菌が、という風に。それを人間が「おいしいね」「体にいいね」って喜んで頂くというわけです。
( 補足 ) 発酵菌には色々な種類があり、こうじ菌はカビの仲間。乳酸菌は細菌(バクテリア)の仲間です。
Mrs.remy:
なるほど!!

小倉:
こうじ菌以外にも、味噌には複数の菌が関わっていて。原料のお米と大豆の中で、菌たちがバトンリレーしながら、形を変え、味を変え、味噌へと変身させていくんです。

明日香:
そんな風に伝えてあげると、子ども達の味噌を見る目も変わりそう!
小倉:
実際に家で味噌を作ってみるのも、子どもは喜びますよ。これは今、僕が作っている味噌で…

Mrs.remy&明日香:
おぉ〜
小倉:
樽は杉の木で出来ています。表面に細かな穴が開いてて、そこが菌たちの住みかになるんです。アパートみたいに。

Mrs.remy:
質問!

小倉:
はい、レミーちゃん。
Mrs.remy:
その菌たちは、どこから連れてくるの?

小倉:
空気中の菌たちが、自然と寄ってくるんだ。

明日香:
でも、どの菌がどれくらいいるかって、家ごとに違いませんか?

小倉:
そうなんです、だから家ごとに味が変わるんですよ。うちの数だけ、味噌の味があるんです!
発酵を楽しく学びましょう「菌トーク」

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