圧力トーク#2
鈴木:
そうそう。圧力鍋は途中で調味料を足すことができないので、先にちょっと濃い目に入れておいてください。あと、途中でアクをとることができないので、ふたをする前にとっちゃうのもコツかな。

Mrs.remy:
鈴木さーん!
鈴木:
はい、レミーちゃん?

Mrs.remy:
プロの鈴木さんが、実際に圧力鍋を使っているとこ、見たいです!

鈴木:
ふふ、そうよね。

明日香:
私も!できれば、お肉や魚の下ごしらえに使っている様子を見たいな。

鈴木:
じゃあ、クリスマスシーズンだし、「骨付きフライドチキン」を作ってみましょうか!あと、サンマがあるので一緒にパーティーメニューを。

Mrs.remy:
フライドチキンを圧力鍋で?普通に揚げるだけじゃダメなの?唐揚げみたいに...

鈴木:
ははは。フライドチキンは、もっと肉厚でしょ?だから、火を通すのに時間がかかるの。圧力鍋で先に中まで火を通しておくことで、油で揚げるとき、短時間で済むのよ。
Mrs.remy:
なるほど!

鈴木:
短時間で揚げれば、油も汚さず、鶏肉の旨みや水分も流れ出にくいというメリットもあるんです。では、キッチンにどうぞ。

明日香:
失礼しまーす!

鈴木:
まずは、チキンの下ごしらえからいきますね。これは、砂糖と塩を混ぜた水に鶏肉を漬けておいたものです。漬けておくことで、中まで味を染み込ませています。
明日香:
ここにスパイスを加えれば、ケイジャン風とか、カレー風味にもできたりしますね!

鈴木:
まさに!そうやって、自分好みの味にしていくのが、また楽しいですよね、料理は。でも、いきなり難しいって方は、水・塩・砂糖で十分ですよ。
(※1ℓの水に、塩150g・砂糖80g・漬け込み時間2時間が目安です。)
鈴木:
あとは、圧力鍋で蒸しちゃえば下ごしらえ完了。水を張った上にすのこを置いて鶏肉を入れたら、ふたをして火をつけるだけ。

Mrs.remy:
それだけ?調理してる感が全然ない…

鈴木:
圧力鍋はすることがないのよ。ピンが立ってきたら、火を弱めるくらい。なので、もう1つの鍋で、サンマもやっちゃいましょう。

Mrs.remy:
また圧力鍋?普通のお鍋じゃダメなの?

鈴木:
圧力鍋で下ごしらえをしておくと、取るのが面倒な骨まで食べられるようになるの。そこから調味料を使って味を変化させれば、一匹丸ごと美味しく食べられるでしょ?

明日香:
魚は、お肉よりアレンジの仕方が分からないっていう人、多いですよね。結局、いつも焼き魚になっちゃうって。

鈴木:
魚のアレンジなら、この下ごしらえした状態を冷蔵庫にストックしておくと、便利ですよ~。下ごしらえは、サンマの頭と内臓を取ってぶつ切りにして、圧力鍋で煮るだけ。水煮でもOK。私は、みりん・にんにく・しょうがを加えて、ここで下味もつけておきますけど。みりんは、煮崩れ防止にもなるしね。
明日香:
それで骨まで柔らかくしといて、あとは食べる直前のひと手間次第で、味を変えるってことですね。

鈴木:
そうです。甘辛く煮てごはんに乗っけて丼ものにしたり、から揚げにしたりもできますよ。

明日香:
わ、なんて心強いストック!パスタに使ってもよさそう。

鈴木:
ね、レパートリー、広がりそうでしょう?今日は、トマトソースで和えようと思っています。

Mrs.remy:
パーティーメニューにサンマ?って思ってたけど、そういうことか~!

明日香:
あ、そろそろ、鶏の方も蒸しあがったかな?

Mrs.remy:
ドキドキ…

鈴木:
では、オープン!
明日香:
うわぁ、このままでもおいしそう!

Mrs.remy:
今すぐかぶりつきたい!

鈴木:
でも今日は、衣をつけて揚げるまで待ってね(笑)スパイス11種類を調合した、オリジナル衣を準備しておきましたので。

明日香:
11種類!もう何が入ってるんだか、分からないほど複雑な香り…
鈴木:
スパイスも好きで結構集めてるんです。これもなければ、別に小麦粉だけでも構いません。

明日香:
普段の料理の味付けも、自分好みでアレンジされるんですか?

鈴木:
はい。理科の実験をするように、味の調合を楽しんでいます。

明日香:
その勇気がない人も多いですよね。失敗するのが怖いから、結局いつも同じ味付けになっちゃう、みたいな。

鈴木:
まずは、「基本の3角形」を自分の中に持っておくといいんですよ。
Mrs.remy:
3角形?